こんにちは。とも皮膚科クリニックです。
先日、慶應義塾大学医学部皮膚科の大先輩である陳科榮先生のクリニックで酒さ診療の勉強をさせていただく機会があったので、そのことについてお話したいと思います。
酒さとは
酒さとは主に中高年の方の顔面に生じる慢性の皮膚疾患です。飲酒や辛い食べ物、寒暖差などの刺激によって顔面が赤くなる、いわゆるあから顔や、赤いぶつぶつが顔にできるというのが主な症状です。日本ではおよそ1万4000人の患者さんがいると言われています。
酒さについては現状、確立した治療法があるとは言えません。顔面という目立つ場所に症状が出ることに加え、有効な治療法が乏しいため、長年悩まれている患者さんが多いです。
皮膚科学会東京支部大会での講演を拝聴して
少し時間をさかのぼりますが、去る2022年11月、新宿の京王プラザホテルで開催された第86回日本皮膚科学会東京支部学術大会に参加してきました。
学会というのは、医師にとっては自身の研究成果を発表する場であり、かつ、それを聞くことによって学習をする場でもあります。私は学会にはなるべく参加して、知識や技術の向上に努めています。
この時の学会で、目黒陳皮膚科で勤務されている洲崎玲子先生が、酒さの治療についてのご講演をされました。
講演を拝聴して感激した私は、目黒陳皮膚科クリニックで酒さ診療を学びたいと考え、院長の陳先生に厚かましくも見学のお願いをさせていただいたのでした。
見学を快く受け入れてくださった陳先生に感謝です。
目黒陳皮膚科にて
陳科榮(ちん かえい)先生は、慶應義塾大学医学部皮膚科の大先輩で、目黒で開業される以前は済生会中央病院で皮膚科部長として長く勤めておられました。
陳先生は血管炎の世界的な権威で、私も慶應義塾大学病院在籍時代は、難治症例のコンサルトで何度かお世話になったことがありました。
目黒でご開業されて以降は、酒さの診療に熱心に取り組まれてきたとのことです。評判が評判を呼び、今では日本全国はもとより海外からも患者様が通院されているというお話でした。
目黒陳皮膚科では、陳院長の外来に陪席させていただいて、先生の診療をまるっと一日見学させていただきました。こうして他の医師の外来診察を見学するのは、大学で研修医をしていた頃以来だったので、初心に帰ってとても新鮮な気持ちになりました。
1日の見学を通じて大変勉強になりましたが、それより何より陳院長先生の優しいお人柄に触れ、患者さんたちから信頼を集めている姿に大変感銘を覚えました。
自分も医師としてかくありたいと強く思い、自分のクリニックを作り上げていく上での指標にさせていただきたいと勝手に決意したのでした。