スギ花粉症とは?
スギ花粉症は、今や日本人の4人に1人が罹患していると言われる国民病です。スギ花粉が原因のアレルギー性鼻炎・結膜炎で、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの症状があります。これらの症状は、スギ花粉の飛散期である春先にとくに顕著となります。
舌下免疫療法のメカニズム
舌下免疫療法(SLIT)はアレルギー治療の一種です。少量のアレルギー物質を毎日摂取(舌下投与)することで、体が徐々にその物質に慣れていき、アレルギー反応が緩和されるという原理に基づいています。日本国内では、現在スギ花粉抗原とダニ抗原に対する舌下免疫の薬剤が利用可能となっています。
舌下免疫療法の効果と持続性
舌下免疫療法はスギ花粉症の症状の緩和に有効で、とくに持続的に症状に悩まされている患者にとって重要な治療法となります。治療が成功すれば、通常はアレルギーシーズン中の症状が大幅に軽減され、生活の質が改善します。また、この療法はその効果が長期にわたって維持され、治療を終えてからもその効果が数年間続くことが報告されています。治療期間は、一般的には3-5年間続けることが推奨されています。
舌下免疫療法における副作用と対策
舌下免疫療法は非常に安全な治療法とされていますが、まれに副作用が出ることがあります。もっとも一般的な副作用として、舌や口の中の痒みがあります。これは通常、数日から数週間で自然に治ります。しかし、まれに重篤な反応が出ることもあるため、治療開始後は症状の変化を注意深く観察し、異常を感じたらすぐに医師に連絡してください。とくに治療開始1回目の投与時には、院内で内服していただき、その後30分間の経過観察が必要です。
舌下免疫療法と他の治療法との比較
舌下免疫療法は、アレルギー反応の原因そのものに対応する治療法です。他の一般的な治療法、たとえば抗ヒスタミン薬や点鼻薬はあくまで対症療法であり、一時的な症状の緩和を目指すものとなります。これらは体がアレルギー物質に反応すること自体を防げず、毎年治療を繰り返す必要があります。舌下免疫療法は、比較的副作用が少なく、自宅での管理が可能な点もメリットとして挙げられます。
舌下免疫療法初回導入の流れ
スギ舌下免疫療法外来では初回導入前に血液検査を行い、スギ花粉症の診断確定を行います。20分で結果が出るアレルギー検査を行います。指先から採血をするので、お子さんでも検査を受けていただくことが可能です。
他院での検査結果をお持ちの方は必ずご持参ください。1年以内の採血結果が確認できれば、当院での採血検査は不要となります。
舌下免疫療法の手順や効果・副作用について説明を行います。
初期導入用の錠剤を処方します。
院内で舌下免疫錠を服用していただきます。30分間院内で待機していただき、安全確認を行います。
30分間待機していただき、問題がなければ帰宅可能です。トータルの院内滞在時間は1時間超くらいです。
1週間後に再診していただき、とくに問題がなければ維持用量の錠剤に切り替えて内服を続けていただきます。
予約を必ず取得してください
スギ花粉症の舌下免疫療法に使う薬剤であるシダキュアが、需要の拡大に伴い全国的に品薄となっています。とくに初期導入に用いる2000JAU錠が入手困難となっています。このため、当院ではスギ花粉症の舌下免疫療法の初回導入については完全予約制とさせていただくことといたしました。
当院の予約サイトから、事前に必ず予約を取得の上ご来院をお願いいたします。「スギ舌下免疫療法初回導入」の枠で予約をとるようお願いいたします。
舌下免疫錠の在庫切れにより、受診予約を締め切らせていただく場合がございます。ご了承ください。